株式会社WithWhizのコミュニケーションガイドライン
目的とビジョン
目的(Purpose)
「気持ちよく仕事ができる環境を作る」
私たちの仕事では、言葉が相手にどう伝わるかが成果や関係性に大きく影響します。しかし、チャットやWeb会議などのデジタルコミュニケーションが主流になる中で、細かなニュアンスが伝わりにくくなり、認識のズレや不要な誤解が生まれることもあります。
このガイドラインは、誰もが適切なコミュニケーションを取れるようにし、認識の齟齬や言葉の行き違いを防ぎ、チーム全体の協力をスムーズにするための指針です。
ビジョン(Vision)
「言葉を大切にし、仕事も人間関係も気持ちよく進められる文化をつくる」
私たちが目指すのは、以下の3つの要素が揃ったコミュニケーション文化です。
- 信頼関係を築ける対話
- 相手の意図を正しく理解し、自分の考えも適切に伝えることで、仕事の質と効率を向上させる。
- 「伝えたつもり」「聞いたつもり」をなくし、チーム全員が安心して会話できる環境をつくる。
- 言葉の力を理解し、活用する
- 言葉一つで相手のモチベーションを左右することを意識し、ポジティブな表現を心がける。
- 言葉の選び方や伝え方に配慮し、建設的なフィードバックを行う文化を育む。
- 楽しく働ける環境をつくる
- 無駄なストレスや摩擦を減らし、互いにリスペクトを持って気持ちよく働ける環境を整える。
- 「言い方」一つで関係性が良くも悪くもなることを理解し、意図しないすれ違いを減らす。
私たちの仕事は、言葉を交わすことで成り立っています。 その言葉が適切に伝われば、仕事の効率が上がり、チームワークも強くなり、より良い成果が生まれます。逆に、言葉が誤解を招けば、余計な手間や人間関係の摩擦を生みかねません。
このガイドラインを通じて、誰もが「伝え方」や「受け取り方」に意識を向け、気持ちよく仕事ができる環境を築いていきましょう。
企業文化としてのコミュニケーション
企業文化として根付かせるべきコミュニケーションの原則は、単に業務を円滑に進めるためだけでなく、信頼関係を築き、チームの生産性と働きやすさを向上させるために欠かせない要素です。
WithWhizでは、以下のポイントを重視し、誰もが安心して発言し、相互に成長できる環境を目指します。
- 心理的安全性の確保(安心して意見を言える環境づくり)
- オープンで透明なコミュニケーション(「言わなくても伝わる」は幻想)
- アサーティブコミュニケーション(率直かつ誠実で、相手を尊重した伝え方)
- フィードバック文化の醸成(成長を促すための建設的なフィードバック)
- 「言葉の力」を意識する(言葉は人間関係を良くも悪くもする)
- 勝手に相手の気持ちを想像しない
1. 心理的安全性の確保(安心して意見を言える環境づくり)
心理的安全性とは、チームの中で「自分の考えや意見を率直に言っても、否定されたり、評価を下げられたりすることがない」と感じられる状態のことです。Googleの「プロジェクト・アリストテレス」でも、高いパフォーマンスを発揮するチームには心理的安全性が不可欠であると示されています。
実践のポイント
- 誰の意見も軽視しない(アイデアを否定するのではなく、一旦受け入れる姿勢を持つ)
- 「こんなことを言ったらどう思われるか」と心配せずに発言できる雰囲気をつくる
- 発言を促す質問を投げかける(例:「他に考えがある人いますか?」)
- 失敗やミスを責めるのではなく、学びの機会として活用する
- マネージャーやリーダーが率先して意見をオープンにし、メンバーの発言を尊重する
2. オープンで透明なコミュニケーション(「言わなくても伝わる」は幻想)
「言わなくても察してほしい」「空気を読んでほしい」という考えは、誤解や非効率なコミュニケーションを生む大きな要因です。特にリモートワークや非対面の環境では、テキストや画面越しではニュアンスが伝わりにくく、意識的な情報共有がより重要になります。
実践のポイント
- 明文化する:「このプロジェクトのゴールは○○です」「この作業の目的は○○です」など、あえて言語化する
- 背景情報も共有する:なぜその決定をしたのか、どのような判断基準があるのかを説明する
- 「言ったつもり」「聞いたつもり」を防ぐ:重要なポイントは確認し合う(「この認識で合っていますか?」)
- ドキュメント化する:口頭で済ませず、チャットやメモで共有し、いつでも見返せるようにする
- 「こんなことは言わなくても伝わるだろう」をなくす:たとえ基本的なことであっても、伝えることを意識する
3. アサーティブコミュニケーション(率直かつ誠実で、相手を尊重した伝え方)
アサーティブコミュニケーションとは、攻撃的(アグレッシブ)でもなく、受け身(パッシブ)でもない、「率直で誠実な伝え方」 のことです。相手を尊重しながらも、自分の考えを正直に伝えるバランスを大切にします。
実践のポイント
- 「私はこう感じた」と主語を自分にする(Iメッセージ)
- ×「あなたの説明は分かりにくい」
- ○「私はこの部分が少し理解しづらかったので、もう少し詳しく教えてほしい」
- 相手の意見を尊重しつつ、自分の意見も述べる
- ×「それは違うと思います」
- ○「その視点も理解できます。一方で、私はこう考えています」
- 感情ではなく事実を伝える
- ×「あなたの態度が悪い」
- ○「この会議で発言が少なかったので、もう少し意見を聞きたいと思いました」
- 相手に余地を残す:「どう思いますか?」「他の視点はありますか?」と対話を促す
4. フィードバック文化の醸成(成長を促すための建設的なフィードバック)
組織においてフィードバックが当たり前に行われる文化を作ることは、個人の成長とチームの成果向上につながります。特に、ネガティブなフィードバックを避ける文化があると、問題が放置され、後になってより大きな課題となることがあります。
実践のポイント
- 定期的なフィードバックの場を設ける(1on1やミーティング)
- 「良いフィードバック」「改善フィードバック」をバランスよく
- ×「この部分が良くない」だけではなく、「この部分は良かった」「ここを改善するとさらに良くなる」と伝える
- 受け手がフィードバックをポジティブに受け取れるようにする(「あなたの成長につながるから伝えている」)
- フィードバックを求める文化を作る:「この作業、改善できる点があれば教えてください」と、自らフィードバックを求める姿勢を持つ
5. 「言葉の力」を意識する(言葉は人を殺める力がある)
言葉は、人を励まし、モチベーションを高める力を持つ一方で、無意識のうちに相手を深く傷つけたり、信頼関係を壊したりすることもあります。場合によっては、言葉が人の心を蝕み、取り返しのつかない結果を生むこともあるため、私たちは言葉の使い方に細心の注意を払う必要があります。
「言葉の暴力」という言葉があるように、何気ない一言が相手にとっては大きな負担となり、心の健康を損なう要因にもなり得ます。だからこそ、「どんな言葉を使うか」「どのように伝えるか」を意識することが重要です。
実践のポイント
- 言葉の影響を自覚する
- 発した言葉が相手にどのような影響を与えるか、意識的に考える。
- 言葉が積み重なることで、相手の行動や自己認識を大きく変えてしまうことがある。
- 不用意な発言を避ける
- 皮肉、侮辱、過度な批判は、何気ない言葉であっても相手の心を深く傷つけることがある。
- 「冗談のつもり」でも、相手にとっては大きなダメージになる場合がある。
- 建設的な言葉を選ぶ
- 否定や批判ではなく、前向きな提案を心がける。
- 「これはダメ」→「こうするともっと良くなる」と言い換える。
- 言葉を発する前に一呼吸置く
- 感情的になっているときこそ、一度考えてから発言する。
- 「この言葉を受け取った相手は、どう感じるだろう?」と自問する習慣を持つ。
- 相手の立場で考える
- 「自分がこの言葉を言われたらどう感じるか?」を想像する。
- 言葉選びに迷ったら、より穏やかで伝わりやすい表現に置き換える。
6. 相手の気持ちを”勝手に”想像しない
人はつい「相手はこう思っているはずだ」「きっとこう感じているだろう」と無意識に決めつけてしまうことがあります。
しかし、相手の気持ちを勝手に想像し、それを前提に会話を進めることは、誤解や摩擦を生む原因になります。
特に、ネガティブな想像は相手への不信感や無用なストレスを引き起こしやすいため、事実に基づいた対話を意識することが大切です。
実践のポイント
- 「こう思っているに違いない」ではなく、「どう思っているか」を聞く
- × 「(きっとこの件について怒っているだろう)」
- ○ 「この件についてどう感じていますか?」
- 相手の発言をそのまま受け取る
- 深読みしすぎず、言葉通りに受け取り、分からない場合は直接確認する。
- 「○○と言っていたけど、それはどういう意味?」と丁寧に尋ねる。
- チャットでは特に注意する
- 文字だけのコミュニケーションでは相手の感情が見えにくいため、「怒っているのかもしれない」「冷たい反応だった」と勝手に想像しない。
- 不安がある場合は「この点についてどう感じていますか?」と確認する。
- 「忙しそうだから後回しにしよう」と決めつけない
- × 「今は忙しいはずだから、落ち着いたら聞こう」
- ○ 「◯◯について確認したいのですが、お時間あるときに教えてください」
私たちは、ただ言葉を交わすのではなく、相手を尊重しながら、より良い関係を築くためのコミュニケーションを実践していきます。